プラスチック成形の豆知識

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01プラスチックとは

プラスチックとは プラスチックとは石油を主原料として作られる合成樹脂のことです。日本工業規格では「高分子物質(合成樹脂が大部分である)を主原料として人工的に有用な形状に形作られた固体である。ただし、ゴム・塗料・接着剤などは除外される。」と定義されています。
プラスチックは19世紀に発見されると、加工が容易であったことから急速に普及していきます。
金属は紀元前から利用されてきましたが、プラスチックが実用化され普及してからはまだ100年あまりです。金属と比較すると、つい最近に人類が手にした新しい素材と言えるでしょう。

02プラスチックの分類

プラスチックの分類方法は様々ですが、大きく分けると「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に大別することができます。
熱硬化性樹脂
熱を加えることで化学反応を起こし硬化する特性を持った樹脂です。一度固まると熱を加えても柔らかくならないという特性を持っています。よって高温環境下での使用や、耐熱性が求められる場面での使用に向いています。
例えばプラスチック製の灰皿がありますが、これは熱硬化性樹脂で作られたものです。
型に入れて焼いたら形が変形しない、クッキーのようなイメージです。
長所
  • クリープ特性(たわみや歪みに対する力)に優れている
短所
  • 複雑形状のものができない
  • 成形サイクルが長く、熱可塑性樹脂よりもコストが高くなる傾向がある
  • 流動性が良いため、バリが出やすいので、仕上げ工程が必要になる
主な熱硬化性樹脂の種類としては、フェノール樹脂・ポリエステル・ジアリル・エポキシ・メラミン・ユリアがあります。
元々、プラスチック成形は熱硬化性樹脂製品が主流でしたが、現在では熱可塑性樹脂の方が主流になりつつあります。しかし、熱硬化性でしかできないものも多くありますので、決してなくなることはありません。市場としてはニッチになっていますが、根上産業は熱硬化性に強みがあるメーカーとして、金属の代替品としての用途など、新たな熱硬化性樹脂の可能性を追求しています。 プラスチックの分類
熱可塑性樹脂
熱硬化性とは違い、一度成形した後でも熱を加えると柔らかくなる性質がある合成樹脂です。型に入れて固めた後でも、熱を加えると変形する、チョコレートのようなイメージです。
成形する際には、材料に熱を加えてどろどろの液状になったものを型に流し込んで成形します。そのまま冷やして固めていきます。
世間一般で有名なのは、ペットボトルに使用されるPET、ナイロン・ポリプロピレン・ポリエチレン・ABS樹脂など多くの材料があります。
当社で扱っているのはPPS・PBT・POM・ガラス入りナイロンなどのエンジニアリングプラスチックと呼ばれる工業用製品に使用される強度に優れたものです。
長所
  • 複雑な形状のものも作りやすい
  • 再生・リサイクルが可能
  • バリが出にくい
短所
  • 熱が加わると変形してしまう

03プラスチックの加工法

プラスチックが発見されてから、様々な加工法が考案され普及してきました。主だったものだけでも、以下のものが挙げられます。
  • 射出成形法(インジェクション成形法)
  • 押出成形法
  • 移送成形法(トランスファー成形法)
  • 圧縮成形法
  • インフレーション成形法
  • カレンダー成形法
  • ブロー成形法
  • 中空成形法
  • 熱成形法
この中で最も普及しているのが射出成形法と呼ばれる加工方法で、根上産業も射出成形による加工を行っています。

04射出成形法とは

射出成形法とは、簡単に言うと液状にした材料を金型に流し込んで固めて加工する方法です。
流し込む材料の温度と圧力を調整しないと、複雑な形状のものは作れません。また、材料を流し込む位置や流し込む方法も工夫しないと、安定して良い製品は作れません。
金型の設計に関しても、高度なノウハウが必要になります。
熱硬化性樹脂の射出成形
熱硬化性樹脂を成形する場合は、まず材料を50℃前後に加熱します。そうすることによって、材料に流動性を持たせることができ、金型の中で自由に移動することができるようになります。その後、150℃170℃~180℃前後に熱した金型に材料を充填して固化させます。
熱硬化性樹脂は、樹脂の種類にもよりますが高い充填圧力を必要としません。しかし一方で、固化にある程度の時間を要するため、熱可塑性樹脂に比べてサイクル時間が長くなってしまうという欠点があります。
熱可塑性樹脂の射出成形
熱可塑性樹脂を成形する場合は、まず材料を高温にしてどろどろの液体の状態にします。この材料を低温の金型に高圧で充填し成形します。 熱硬化性に比べ、固化するまでの時間が短いので早いサイクルでの成形が可能で生産性が良いという長所がありますが、高速・高圧で充填しなければならないという欠点もあります。

05インサート成形

インサート成形 根上産業が得意としているものに「インサート成形」と呼ばれるものがあります。これはプラスチック部品の中に金属を挟み込んだ状態で成形したものです。
プラスチックは絶縁体ですので、電気を通しません。その中に金属製の部品を入れることにより、確実に絶縁を行い、かつ導通させたい部分にだけ電気を流すことが可能になります。ゴムで被覆したケーブルでつないで電気回路を作っていたものを、プラスチックの部品の中に電気回路を組み込んでしまったものと考えて下さい。
他にも金属製のねじ山を埋め込み、取付を容易にする目的や、強度を確保する目的で金属部品をインサートするケースもあります。
複雑なインサート成形では縦型の成形機を用いるのが一般的です。インサート成形以外で一般的に用いられる横型の成形機では、インサート部品を並べていくことが難しいからです。当社では縦型成形機を導入することにより、効率的にインサート成形品を製造することが可能になっています。
また、インサート成形品は複雑な形状になるケースも多いのですが、これまでも他社で断れたものを当社で製造した実績がございます。インサート成形のスペシャリストとして、これからもお客様のニーズにお応えしていきます。

06熱硬化性樹脂の成形法の詳細

当社の特徴の一つである、熱硬化性樹脂の成形法について、もう少し詳しく解説いたします。
射出成形
プランジャまたはスクリューで粉またはペレット状の材料を計量し、加熱した金型内に射出し硬化させる成形法です。加熱筒は媒体などで加温して材料の流動性を持たせることにより型内にスムーズに射出できます。
【特徴】
  • 比較的に小物の成形品に適し、射出圧力、速度が多段制御できるのでバリが極力少なくできます。
  • 低圧、低速制御が容易でインサートワーク等への負担を少なくできます。
  • インラインスクリュー式の場合計量精度が安定します。パウダー材料時にバイブレータフィーダーにより材料を供給してより計量の安定を計る場合もあります。
  • 加熱筒を媒体などで加温して材料の流動性を上げています。
  • インサート成形、フープ成形や自動化が容易で無人化が計れます。
  • ガス抜き動作が容易にできます。
  • 原料の流動特性から、射出成形困難なものがあります。
圧縮成形
硬化性樹脂の代表的な成形法で成形材料を加熱した金型の凹部(キャビティ)に入れて圧縮成形機でプレスして硬化させる方法です。
【特徴】
  • 材料は通常金型のキャビティの中で溶かして、圧縮、硬化させますので、流動特性に制約がなく、すべての原料を使用できます。
  • 流れが少なく、一様に加圧されるため、射出成形、トランスファ成形に比べて内部応力少ない製品が得られやすい。しかし、インサート物にも圧力が加わりますので、精細なインサート物には使用できません。
  • 機械の型締力が直接製品にかけられるため、通常は大型製品や肉厚品にも適します。
  • 型を閉じながら、成形するので、成形品の精度は出し難い。
トランスファー成形
成形材料をポットで溶かしてスプル、ランナ、ゲート等から加熱した金型のキャビティに圧入して硬化させる方法です。
ポット式トランスファ成形(タブレットをポットに入れて型のプランジャで加圧する)、プランジャ式トランスファ成形(プランジャ用補助ラムを装備)があります。タブレットは場合により高周波加熱機等で事前予備加熱されます。
【特徴(圧縮成形法と比較した場合)】
  • 予熱装置をうまく使えば、硬化時間が短縮される。
  • 均一硬化により成形歪が少なくなる。
  • 金型を閉じて材料を注入するため、成形品の寸法精度がよい。
  • 通常カル等の材料の無駄がでる。
  • 比較的高い型締め力が必要となる。
  • 材量の充填材が配向し、成形品の方向性が出やすい。
  • カル取り出し、金型清掃等含み射出成形の次に自動化が行いやすい。
  • 原料の流動特性の制約は、射出成形と圧縮成形の中間である。

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